僕の特技は腹話術です。けっこう自信あるんです。会社の新人歓迎会でも披露しました。ウケましたね。懐かしい。
さっそく皆様にもご披露いたしましょう。
いきますよ!
「あれ？声が遅れて聞こえてくるよ」
どうですか?もう一度やったほうが良さそうですね。
「あれ？声が遅れて聞こえてくるよ」
なかなか上手いと思いませんか?
信じてくださった方、ありがとうございます。さようなら。
信じられない方は続きを読んでください。
信じられない方は、なぜ信じられないかを考えてみてください。どうでしょう。おそらく回答は「目の前で行われていないから」だと思います。
では、さらなる問いです。あなたは日常生活で「目の前で起きた現実」しか信じていませんか?
どうでしょう。おそらく「YES」という方は極めて少ないことでしょう。人って知らぬ間に見てない、考えてないことも信じちゃう生き物なんです。
例えば、
戦争は悪
民主主義は良いこと
進歩は人を幸せにする
なんてことは皆さんも信じているでしょ？私もそう思います。
例え話をしましょう。
オルテガの『大衆の反逆』という本があります。内容には触れません。
オルテガはいわゆる選民思想、エリート主義者だったんですね。だから民主主義はやや反対で、政治は一部のエリートが行うべきだと考えていました。
どう思いますか？
オルテガって悪いと思ったでしょう？
実はオルテガの生きた時代は、ナチス・ドイツの時代でした。政治家に扇動され、暴走する民衆を見てたわけですね。
民主主義に政治を任せると暴走する、だから政治は優れたエリートが行った方がいい、そう考えたわけです。
こう説明されるとオルテガも悪くないなって思えませんか？
ここまできて、もう一度聞きます。
僕の特技は腹話術です。
「あれ？声が遅れて聞こえてくるよ」
知らぬ間に扇動されてませんか？
同じように疑ってみることがあると思いますよ。
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